イェライシャのお節介

政治経済とニュースネタ

プラスチックを悪く言うな

 

昨今プラスチックが海洋汚染の悪役になり、

例によって環境保護団体や煽り系が食いついて騒ぎ始めています。

政府もこの問題に取り組む姿勢を打ち出していて、

今のままで良いわけがないので異はありませんが、

間違った認識が多いと感じるので私個人の見解を簡単に触れていきます。

 

<プラスチックの正体>

原油を精製する過程で、ガソリンや灯油と一緒にナフサという名前で最初に生まれます。これを使用目的に合わせて化学的に製造されるのがプラスチックです。

ガソリンや灯油は燃料として、プラスチックは物としてあり、根は一緒ですからよく燃えます。(すごく乱暴な言い回しですが大半はこんなものです)プラスチックにも様々な種類があり、ここではプラスチックの大半である汎用プラスチックについて記します。(高機能プラスチックはよくわかりません)

プラスチックの特性は

  • 電気を通さない(絶縁性がある)
  • 加工が一般的に容易であらゆる形状に成型できる。
  • 経年劣化はあるが耐久性が優れる。(地中に埋めれば半永久)
  • 一部製品は柔軟で耐衝撃性が高くパイプラインでは耐震性で最強。
  • 水を通さない。また化学的安定していて腐食せず容器に適する。

ゆえにプラスチック製品は、電気、ガス、水道管(一部)、下水管(一部)重要なライフラインに無くてはならないのです。嫌わないでほしいのです。

 

プラスチックの主な欠点

  • ほとんどが熱に弱く燃えやすい。(火災現場でひどい目にあった)
  • ほとんどが分解せず自然に帰らない。(だから分解したら困るとこに使う)
  • 安っぽい。(主観、食器に使われるが好まない)

<汎用プラスチックと処分方法>

汎用プラスチックは量でプラスチックのほとんどを占めていると思います。高機能のプラスチックはその名の通り機能が優れる面コストが高く大量に消費されていません。汎用プラスチックは生活の様々な部分で使用され、その大半が包装資材で建設資材、ライフラインの用途が続きます。主にポリエチレン(PE)、プリプロピレン(PET)、塩化ビニール(塩ビ)で、塩ビを除いては燃やしても残るのは炭素で基本無害です。

塩ビは燃やすとダイオキシンが発生すると問題になりましたが、ダイオキシン発がん性物質を含む可能性があると言われ久しいですが、これが原因で死亡問題になったことを聞いたことがありません。薄気味悪いのは事実ですが科学的にどうなんでしょうか?今も塩ビはライフラインの資材として無くてはならない存在です。

用途では下表を参照してください。

http://www.jpif.gr.jp/2hello/conts/image/toukei2.gif

 

 

 

http://www.jpif.gr.jp/2hello/conts/image/toukei3.gif

出典引用

目で見るプラスチック統計

http://www.jpif.gr.jp/2hello/conts/toukei_c.htm

上の表で分かるようにの大半がレジ袋や食品の包装用途です。プラスチックごみとして嫌われていますが、PE、PPは燃えても残るのは無害な炭素です。燃料と捉えればよいのです。中途半端に最終処分場に持って行って、本当にどうしようもないごみの場所を取ってしまうことを避けて、きちんと燃えるごみとして認識すべきと思います。

パイプや建材のリサイクルは非常に難しいです。燃やすのも無理があり、これがまさしく最終処分場行きになります。ただ、少なくてもPEパイプに関しては耐用年数は半永久であり掘り返さなきゃいいのです。

くどいようですが、プラスチックは水素と炭素の塊です。だから燃やすと水素は酸素と結合して水蒸気になり残るのが炭素なわけです。

添加物云々言いますが微量です。燃え残りの灰で全く無害なものなんて僅かです。大半がもうどうしようもないごみで最終処分場に回すしかありませんが、少なくとも放射能の心配はありません。最終処分場に回すごみの体積を抑えることが目的です。

昔、東京の埋め立て地にごみが大量に放り込まれましたが、灰にしていれば体積は減っていたと思うのです。

私は最終処分場に何度も仕事で行きましたが、分別が不十分な頃でぬいぐるみや家具など燃やしてからにしてもらいたいものだと思いました。

<リサイクルについて>

一般人が容易に一目で分かるようなものでないと回収が難しく、再生加工へ回せません。ペットボトル(PET)、発泡プラスチック以外で一般人が普通に分別することが可能なものは思いつきません。ゆえにこれらがリサイクルの流れに乗りました。

PEもリサイクルが進んでいる方ですが、一つの事例でかなり駄目になりました。それはPEごみ袋を透明にせよと条例が発せられたからです。PEをリサイクルするにあたって、再生品が黒色であればいろいろな色が混じっていても最後は黒色にできるのです。昔、黒色のPE袋がありましたよね、あれはほぼ再生PEが原料だったのです。そのあおりで多数の工場が閉鎖されました。今のレジ袋等は再生されたPEはほとんど使われません。(バージン原料が使われます)せいぜいがその工場で製造過程で発生したものぐらいです。PE袋黒色に戻せませんか?それは社会全体の人々を信頼しないとできませんから無理そうですね。中に何を入れるか分かったものじゃないですから。

黒色のPE製品でリサイクルに貢献しているのは、土木用のPEパイプぐらいしか思いつきませんが需要は少ないです。排水管として使用されて一度設置埋めれば掘り返す必要がありません。この辺り伸ばしてほしい分野です。

黒色に触れたので蛇足ですが、プラスチックの天敵は光です。外に出して使う用途のプラスチックは大概が劣化してボロボロになります。(でも分解しないから困る)光がプラスチックの分子結合を壊してしまうのです。黒色がなぜ強いか?それは表層は劣化しますが光を内部通さないので本体は無事なのです。ブルーシート(PPは元々脆い)は一般的に青ですよね。なぜ青か知りませんが、黒色であればもっと耐用年数が増すと思うのです。そうです長持ちするプラスチックは黒色なのです。

 

<まず取り組むべきと思うこと>

  • 漁網、釣り糸の素材主にナイロンは生分解性のものに置きかえる開発を進めてほしい。コストは上がるがこれが一番質が悪いと思うので法規制もやをえないと思います。何十年後かには必ず分解するようになってほしいと思います。趣味が釣りの方が多いと思いますが、海に捨てられた量は多いのです。
  • ごみを川や海に流すのことに厳罰を設けるべきと思います。とにかく捨てるなということを世界各国でやらないとえらいことになると思います。(現在も)
  • リサイクルが叫ばれますが、燃やすための分別を進めてほしいと思います。
  • 廃プラで燃料を作る技術って昔聞いたけどどうなっているのか調べてみたらあるではありませんか。太陽光なんかよりこっちの普及に努めてほしいと思います。

sanix.jp

https://sanix.jp/biz/evr_resource/recycle_1.php

 

<マイクロプラスチック>

マイクロプラスチックが有害というが明確な根拠はあるのでしょうか。聞いたところ恐ろしげですが、所詮主成分は炭素と水素です。添加物や有害物質を含む恐れがあるといわれますが、極めて微量でその害があるのかないのか分からないものに怯えるのは疑問があります。それよりも恐ろしい有害物質は地球に他にいくらでもあります。

<懸念>

プラスチックの国別生産量を引用します。ごみの分別ができていなさそうな国が大量に作っています。韓国がフィリピンに送ったごみ騒動がありましたよね。分別して燃料として燃やせる部分がそのほとんどと思うのですが、あーなっては手間もコストもかかってしまうのです。とにかく下手に捨てるなです。

www.jpif.gr.jp

 

<まとめ>

プラスチックの最終形態はこうなります。残念ながら最終処分場は必要です。

  • 土中にあり永遠に使い続ける。
  • リサイクルできるものはする。無理なリサイクルはコストがかかるだけ。
  • 燃料化を進める。
  • ごみとしてもできるだけ燃やす処分とする。
  • 燃え残った灰、複合素材で燃やすこともできないものは最終処分場。